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【CSF(豚コレラ)拡大中!】

2019年11月に豚コレラはCSFに名前が変わりました。豚コレラは人に腹痛や下痢を引き起こす細菌のコレラと名前が似ていますが、人に感染することはありません。また、海外で発生しているASF(アフリカ豚コレラ)とは全く別の病気です。

 

 現在、中部・近畿・関東・沖縄まで範囲を広げており、2020年1月8日時点で国内53例目が発生しています。感染している豚・イノシシの唾液や涙、糞尿中に大量のウイルスが含まれており、感染豚やウイルスが付着した物品との接触で感染します。伝染力がとても強いので農場の中にCSFウイルスを侵入させないことが大切です。

【CSFを農場に入れないために①】

①車両で持ち込ませない

 

  • 農場出入り口に石灰を撒いて石灰帯をつくります。
  • 除菌剤が入った加圧式ポンプや動力噴霧器を設置し、入場前に車体、タイヤ、タイヤハウス、ステップに除菌剤を吹きかけて車両を除菌します。

※右の図はプロテクトVAによる石灰帯、ウィンターベッセルサニーによるタイヤの除菌画像です。

 


【CSFを農場に入れないために②】

②人が持ち込まない

 

  • その日のうちに他の畜産農場に出入りした人や過去一週間以内に海外に行った人を農場内に入れないようにします。
  • 豚舎に入る前にシャワー、着替え、防護服の着用、長靴の履き替えをします。
  • 豚舎の出入り口に踏込除菌槽を設置し、長靴を必ず除菌します。
  • 手はよく洗ってアルコール除菌するか、専用手袋を着用します。

※右の図はウィンターベッセルサニーによる靴裏の除菌画像です。

【CSFを農場に入れないために③】

③農場の出入り記録をつける

 

  • 農場出入り口に衛生管理区域入場記録簿を設置する。管理簿には外部の人が農場に出入りする日時、所属と名前、過去一週間以内の海外渡航歴の有無、出入りする目的を記載する項目をつくる。

 

【CSFを農場に入れないために④】

④野生動物対策

 

  • 殺鼠剤や粘着シートなどでネズミを駆除する。
  • 死亡豚や胎盤はコンテナなど囲いのある場所で保管して野生動物に荒らされないようにする。
  • 農場の周りに柵や豚舎開口部に防鳥ネットを設置する。

 

【もしCSFを疑う症状の豚がいたら】

CSFは特徴的な症状がないため、気づきにくい病気です。毎日健康観察をしましょう。発熱、便秘・下痢、結膜炎、食欲がない、元気がないなどの異状が見られたらすぐに家畜保健衛生所に連絡をしましょう。

 

CSFに感染した豚や感染したかもしれない豚がいた場合、生産者に手当金と特別手当金が支給されます。ただし、家畜の病気発生を予防するための衛生的な管理をしていなかった(飼養衛生管理基準を満たしていない)、豚に異状が見られたのに通報しなかった、病気が広がるのを防ぐことに協力しなかった場合、状況によって手当金と特別手当金が減額または支給されないことがあります。

 

常日頃から衛生的な飼養管理を徹底し、豚に異状が見られたときはすぐに家畜保健衛生所に連絡をして指示に従いましょう。

 

【エコフィードを使用する際の注意点】

エコフィードとは売れ残った食べ物やビール粕・大豆粕のように食品をつくる工程で出た副産物を再利用した家畜のエサです。エコフィードを利用することで豚と鶏を飼養する際にかかるエサ代を安くできるメリットがあります。

 

しかしエコフィードの中に肉が含まれているとき、CSF(豚コレラ)ウイルスが生き残っている可能性があります。肉が含まれているエコフィードを利用するときは、あらかじめ70度・30分間以上または80度・3分間以上の加熱処理を徹底しましょう。